古代で最も著名なギリシャ人の宝石彫刻師。ピュルゴテレスがアレキサンダー大王と同時代人であったように、ディスコリデスのそれはアウグストゥスであったが、両者ともにグリュプティック（宝石彫刻術）のアートを各々の時代において、またギリシャとローマにおいて具現化した。ピュルゴテレスの実例は作家たちの証言はあるにはあるがひとつとして現代まで残されていないのに対して、ディスコリデスのものはわれわれの賞賛を喚起するに十分な数が残されている。スエトニウスとプリニウスは最も賛辞を湛えた言葉で彼を語り、アウグストゥスの肖像を傑作であると称えているが不幸にも今やそれは失われてしまっている。