デュヴァル・エ・ル・テュルク【ジュエラー/メゾン】
Duval et Le Turcq
ともに装飾美術学校の生徒であったジュリアン・デュヴァルとジョルジュ・ル・テュルクが1885年に設立したパリのメゾン。1898年頃に打ち出したマット・エナメルとフォイル・バック・エナメルの技術を駆使した一連のオーキッドとチョウのジュエリーが大成功を収め、パリ万国博覧会においてもその並外れたクリエイションは一躍脚光を集めた。ティファニー社も同じくオーキッドのシリーズを出展して称賛されたが、それに比肩するものであった。彼らはエレメントとして多くのメダルを用いるが、1890年には型押しの技術を使ってブレスレット “ゴロワ” を製作、1891年には宗教的なメダル “カタコンベの聖処女” を製作してフランスのみならず外国でも大成功を収めた。1894年に二人は共同経営を解消するが、ル・テュルクは翌1895年、パリのオペラ座におけるグノーの『ファウスト』公演1000回記念に際してブレスレットを製作する。彫刻家ヴェルニエによって彫られた5個のメダルで構成したもので、マルゲリーテと若きファウストと老年のファウスト、メフィストフェレス、ヴァレンタインを表現したものであった。1900年からは宝石とプリカジュール・エナメルで装飾したり、細長いパールを用いたりした可愛い印象のリングを主に製作するようになった。