ナッター、ヨハン・ロレンツ【宝石彫刻師】
Natter, Johann Lorenz
シュワビア(ウルテンベルク)のビベラッハ出身の高名なドイツ人宝石彫刻師兼メダル製作家、コイン彫刻師(1705-1763)。生地で6年のゴールドスミスの修業の後、スイスに赴いてシール彫刻師の下で鋳型の彫刻を数年間学ぶ。さらにヴェネツィアを訪れて宝石彫刻を学び、1732年から1735年にかけてフィレンツェで成功裏に活動、アルバニ枢機卿の肖像によりローマで初めて評判を得る。1740年にはイギリスに渡り、その後デンマークやオランダの宮廷でコイン彫刻師として働き、最後はサンクト・ペテルブルクで没した。宝石彫刻師として当時の大半のアーティスト、おそらく同時代人のジャック・ゲすらも凌駕する存在であった。