用語集

ピカソ、パロマ【ジュエラー/メゾン】

Picasso, Paloma

フランス人のスタイリストにしてジュエリー・クリエイター、パロマ・ピカソ(1949生)は、偉大な画家パブロ・ピカソの娘としてごく自然に自らの芸術的才能を発展させ、1969年にイヴ・サン・ローランのコスチューム・ジュエリーを手がける。1971年にはゾロタスのために、初めてジュエリーのデザインを行った。1972年に後に結婚する劇作家のラファエル・ロペス・サンチェスと出会ったことから、舞台衣装の世界にも手を染める。1984年には自分の名前を冠した香水を出したものを皮切りに、メイク・アップ化粧品にまで世界を広げる。彼女のジュエリー・クリエイションは、1980年から個人的なコレクションの他に友人でティファニー社のアート・ディレクターであったジョン・ローリングのためのものが加わった。ティファニー向けの最初のコレクションは40点から成るもので、そのスタイルはアール・デコの面影あるいはフォーティーズのスタイルへの深い憧れを昇華させたものであった。滑らかな表面が特徴的なジュエリーは、大胆なプロポーションと貴石や半貴石による常識を超えた色の組み合わせという挑戦を押し進めたものであった。豪奢にして洗練されたジュエリー、それらはアーティストのマークであると同時にそれを創造した女性の異論の余地のないシックを呼び起こさせるものである。彼女のムーンストーンをセットしたブレスレットのひとつをシカゴのザ・フィールド・ミュージアムが所蔵されており、ワシントンのスミソニアン・インスティテュートではクンツァイトのネックレスを所蔵している。