プリカジュール(エナメル)【細工/技法】
plique-à-jour enamel[仏]
下地を用いず、切り抜いた金属板やワイヤーの枠の内側に透明の色付きエナメルを流し込んで焼成する技法。金属の枠だけでエナメルを固定するため、ステンド・グラスと似た効果が生み出される。面積が小さい場合はそのまま焼成できるがアール・ヌーヴォー期のジュエリーのように面積の大きいものは、下地に雲母を用い焼成後にこれを剥がす方法や、金箔を一時的に裏張りして焼成後に箔を削り取る方法が採られた。焼成中の釉薬の膨張や窯出し後の温度差でエナメルが剥がれたり割れたりするため、非常に高度な技術を要する。15世紀に開発された技法で、ベンヴェヌート・チェリーニが用いたことで知られる。日本では省胎七宝と言う。