用語集

マスリエラ【ジュエラー/メゾン】

Masriera

19世紀初期に遡るスペインのゴールドスミスの一族マスリエラは、1840年にホセップ・マスリエラ・ヴィダル(1819-1875)がバルセロナで最初のメゾンを立ち上げる。その息子でゴールドスミスのフランチェスク(1842-1902)とホセップ(1841-1912)は、1886年にマスリエラ・エルマノスを創立。ホセップの息子ルイス・マスリエラ・ロゼス(1872-1958)は金銀細工の世界にモデルニスト、すなわちアール・ヌーヴォーの表現を導入し世紀末における最も重要なスペインのジュエラーとなった。ゴールドスミスにして画家、作家、舞台美術という多彩なアーティストでもあったルイスは、1889年にジュネーヴに赴き、リモージュ・エナメルの技術を修める。パリとロンドンで仕上げの修行を行った後、バルセロナでアール・ヌーヴォー風のジュエリーの製作を始めるが、1901年にルネ・ラリックにインスピレーションを受けたジュエリーの展示によって自らを明確にそのスタイルの中に位置づけた。パリのジュエラーの立体的で不定形な流動するラインに対して、彼は様式化した平面的なデザインを特徴とする。