養殖真珠の発明で世界的に知られる御木本幸吉（1858-1954）によって1899年に創立された日本を代表する宝石店。1906年12月に現在の銀座4丁目に本店を新築移転した後、ヨーロッパのジュエリー製作技術の習得に専念し、独自のミキモト・スタイルを確立する。プラチナのガーランド・スタイルに学んだそのスタイルは、シンワークやレースワーク、オープンワークを駆使したもので、1938年のパリ万博に出展された可変式ジュエリー『矢車』で結晶化する。1915年に大正天皇即位の礼に際して、貞明皇后陛下ご着用御胸飾りの製作を日本のジュエラーとして初めて承って以来、皇室向けのジュエリーの製作と維持管理、改作を一手に引き受けてきた。御用達の制度が廃止された現在も最高の格式を誇る日本の宝石店として、その高品質の養殖真珠とともに海外でも広く知られ、ニューヨークやパリを始めとして主要都市に支店を展開するインターナショナル・ジュエラーとなっている。