ムジー【ジュエラー/メゾン】
Musy
イタリアのゴールドスミス&ジュエラー、ウォッチ・メーカー。1676年生まれのジャコモ・ムジーは24歳にしてジュネーヴで独り立ちし、次いで1707年にトリノの王宮の近くに折り紙付の時計とジュエリーのブティックをオープンした。彼は二人の息子に支えられて仕事をしたが、長男のルイジは1754年に国王陛下の時計師に昇進し、次男のクラウディオは1765年に王室御用達の時計師およびジュエラーのゴールドスミスのワラントを賜った。子供たちもメゾンの名声を維持し、1815年に今日まで続く本店を宮殿内のヴィア・ポに構えた。メゾンは何よりも伝統的な19世紀のスタイルを保ち、流行に追従しない貴族やブルジョワの顧客層の趣味に応えた。多くのジュエリーがサヴォイア王家の一族のために創作されたが、例えばそのひとつ、ウンベルト1世の妃のマルゲリータ王妃のディアデムは、国王から皇太子のヴィクトル・エメニュエルの婚約者のプリンセス・ヘレーネに贈られた。1902年のトリノ博覧会では、メゾンは伝統的なガーランド・スタイルのジュエリーに加えてアール・ヌーヴォー・スタイルのジュエリーを出品し、名誉賞に輝いた。その後メゾンはパリのグランド・メゾンによる新しいトレンドと伝統的なスタイルの両立を維持するが、1961年に新しい経営者にセルジオ・デッラ・ヴァッレを迎えた。