作品名 | ラブリング |
制作年 | 18世紀中期 |
制作国 | イギリスまたはフランス |
素材 | ルビー、ダイヤモンド、ゴールド、シルバー |
サイズ | L18mm, W20mm, H19mm |
ダイヤモンドとルビーをハートに見立てたリング。ベゼル(台座)はペアシェイプのルビーとダイヤモンドのダブルハートが、マートル(ツクニチニチソウ)の葉と実でつくられたリース(花輪)で取り囲まれ、子爵の王冠を戴いている。ルビーがセットされたイチゴの葉の間にはローズカットダイヤモンドが配されている。
センチメンタルジュエリーは18世紀のジュエリーの主なテーマであり、様々なモティーフの中でもハートは最も好まれた。この指輪は、常緑樹の緑が婚姻、愛の永遠性をシンボリックに表している。マートルのリースに囲まれた王冠を戴く二つのハートという凝ったデザインは、ダブルハートリングの中でもとりわけ精巧な作品である。1755年スペンサー伯爵は婚約者のジョルジーナ・ポインツ嬢にルビーとダイヤモンドのダブルハートリングを婚約指輪として贈っており、このころがダブルハートリングの最も流行した時代といえる。
シンボリズム(象徴主義)にあふれた完成度の高い傑作。英国またはフランス貴族の婚約指輪として作られたと思われる。