作品名 | ダイヤモンドシスル ブローチ |
制作年 | 1878年頃 |
制作国 | フランス |
制作者 | オクターヴ・ルイヤール(ブシュロン) |
素材 | ゴールド、シルバー、ダイヤモンド |
19世紀のダイヤモンドをセットしたブローチは、オクターヴ・ロイヤールがフレデリック・ブシュロンのために製作したもので、アザミのティアラのフォルムになっており、全体にダイヤモンドがパヴェセッティングされシルバーとイエローゴールドにマウントされている。
著名なパリのジュエリーメゾンの創立者フレデリック・ブシュロン(1830-1902)は、1878年の万国博覧会での展示に3つのグランプリのうちひとつを授与された。大いに賞賛されたのがこのエイグレットです(当時はアザミの花と葉をつけて展示された)。
これは1865年から1878年までブシュロンの工房長であったオクターヴ・ルイヤールによって製作されたもので、彼は絵のように美しい自然主義のジュエリー作品を製作することで有名であった。フランスにおけるナポレオン3世の第二帝政の崩壊と第3共和制樹立ののち、公的な歓待行事は続けられたがそのスタイルは変化した。ティアラは、世襲による特権のシンボルであり、共和主義の原則にそぐわないことから、レディたちはそれに代わるものとしてこのようなエイグレットを着用した。このアザミのモティーフは、のちにアール・ヌーヴォーのジュエラー、ルネ・ラリックと結びつくような新しいものであった。なぜならば、大半の自然主義ジュエリーはポピュラーなバラや百合、ライラック、樫の葉のヴァリアントだったからである。風に吹かれているように曲がったそれは、自然との親和というだけでなく同時代のパリの見事な職人技への評価を実証するものであった。