ゴートレ、レオポルド・アルベール・マラン【ジュエラー/メゾン】
Gautrait, Léopold Albert Marin
原型製作および彫金家であったレオポルド・アルベール・マラン・ゴートレ(1865-1937)は、1897年から1920年までパリの宝石店レオン・ガリオの信任厚い共同製作者であった。1894年のサロンに出展した代表作のひとつ、鋳造による金メッキを施したブロンズの花瓶『四季』は、パリの装飾美術館に収蔵されている。パリに居を構えてからは、ガリオのためにクジャクやツバメ、女性の頭像、エナメルを施した花々のモティーフ、オパーク・エナメルのランのブレスレットといったアール・ヌーヴォー趣味のジュエリーを製作するが、1905年頃からはルイ16世スタイルへと趣味の変化を見せ、バラのガーランドや花束をイングレイヴィングしたものやギヨシェの地に胸像を描いたエナメルのプラークで装飾したゴールドのブレスレットやペンダント、ネックレスを数多くデザインした。これらのジュエリーの中にはゴートレのサインとガリオの刻印に加えて、ヴェヴェールなど大手宝石店の商標が入っているものもある。1920年以降は特定の顧客向けに限ってジュエリー製作を行い、1930年まで活動したがそれらのジュエリーにはサインが入っていない。ゴートレ=ガリオの最も有名なジュエリーは1900年のパリ万国博覧会に出展したクジャクのペンダントで、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館によって会期終了後に買い上げられた。