作品名 | カラーダイヤモンドのブローチペンダント |
制作年 | 1925年頃 |
制作国 | 未詳 |
制作者 | 未詳 |
素材 | プラチナ、ダイヤモンド、カラーダイヤモンド |
貴重なカラーダイヤモンドのブローチペンダントは、アール・デコデザインのもので、水が滝になって下に落ちる噴水の前の台座に置かれた花瓶を表現しており、花瓶と台座の両方には様々なカットとカラーのダイヤモンドがセッティングされている。滝には、ブリリアントカットとバゲットカットダイヤモンドがプラチナにマウントされており、引っ込み式のペンダント用の環が収納されている。
1925年にパリで開催された装飾美術の万国博覧会の象徴として選ばれた噴水は、その時に到来した偉大な芸術的スタイルを明瞭に示すものである。ここでは、流れ落ちる水のアイデアが、インビジブルセットさながらに密接してプラチナにセットされたクラシカルなブリリアントカットダイヤモンドのシンチレーション(表面反射による揺れるような輝き)によって表現されている。このプラチナは新しい、非常に軽量ながら強靭なセッティングをもたらした金属で、従前のより重いシルバーとイエローゴールドに取って代わり、セッティングを極めて精巧な、レースのような繊細さに仕上げることを可能とした。
モダンカットに仕立てたファンシーカラーダイヤモンドを整列させたこのデザインは、花瓶の伝統的なモティーフの表現において、いかなる先例とも異なった効果を生み出している。水と花、光とカラーのテーマを結びつけつつも幾何学の直線と曲線にしたがったこのブローチは、アール・デコデザインの華美と優雅を例証するものである。