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カルロ・ジュリアーノ製作 ゴールドと宝石のバングル

作品名 カルロ・ジュリアーノ製作 ゴールドと宝石のバングル
制作年 1880年頃
制作国 イギリス
制作者 カルロ・ジュリアーノ
素材 サファイア、ルビー、パール、ダイヤモンド、ゴールド

作品説明

19世紀後期の宝石とパールをマルチ・セットした、エナメルとイエロー・ゴールドの蝶番付のバングルはカルロ・ジュリアーノの製作になるもので、そのイエロー・ゴールドのトップ・セクションには、センターのオールド・ブリリアント・カット・ダイヤモンドと縁飾りのパールおよびそれらの間をカリブレ・カット・ルビーかサファイアで埋めて交互に配した、5つの円形のクラスターが貼り付けられている。傾斜した外側の縁飾りにはペイル・グリーンのエナメルが施され、ホワイト・エナメルによる両サイドのスパンドレル(三角小間)が各クラスターを支えるとともに、その間にペイル・グリーンのエナメルがあしらわれている。蝶番のオーヴァルのプラークには、“C.G”と刻印されている。

解説

ヴィクトリアンの女性たちは、ブレスレットやバングルに対して決して所有しすぎることはないといった情熱を持っており、中には60とかそれ以上を所有するレディたちもいた。このヴァージョンは、それ自体として魅力的だが、また同じく裕福なロンドンのインテリ層向けのジュエラーであるカルロ・ジュリアーノが、その繁栄した時代の最もポピュラーなジュエリーに対する需要にいかに応えたかを如実に示している。

おそらく期待されたであろうように、これは大きなクラスプによって留められる宝石とパールの列から成るか、あるいはその他のロンドンのジュエラーたちによって提案されたセンティメントのテーマを表現している標準的なバングルとはまったく異なっている。

ここでは、ゴールドスミスの技術、特にジュリアーノが卓越していたエナメル細工のそれが、ジェム・セッターの技術と結び付けられて大いなる装飾的効果を生んでいる。きらめくダイヤモンドとシルバーがかったパール、ファセットを施されていないルビーとサファイア、エナメルの燃え上がるカラーは、艶やかなイエロー・ゴールドのバンドの上の整然としたクラスターに囲まれて輝き立っており、デイ・タイムおよびイヴニングの社交イヴェントにおいて等しく映えたものである。

当時のロンドンにおける最も創造的なジュエラーであったカルロ・ジュリアーノによって製作されたこのバングルは、おそらく非常にユニークであると同時に、所有者の個人的な趣味の表現であったと思われる。したがって彼女は、他の女性の手首に同じようなものが着用されていることはないことを確信することができた。それは今日と同様に、非常に重要なことであった。

ダイアナ・スカリスブリック