作品名 | ガーランドスタイルストマッカー |
制作年 | 1906年頃 |
制作国 | フランス |
制作者 | ショーメ |
素材 | プラチナ、ゴールド、サファイア、ダイヤモンド |
プラチナとゴールドのボウノットのストマッカーブローチのリボンは、2つのループのそれぞれが輝きのあるダイヤモンドの一本のラインと、様式化した月桂樹の複数のラインに分割されており、それらが交わるセンターには八角形のサファイアが3石のペアシェイプダイヤモンドを冠している。月桂樹の葉の両端には、下に提げられたフェスストゥーン(垂れ綱)の上に3石のペアシェイプダイヤモンドが付き、1石のサファイアを中にもう1石を基底に伴う月桂樹のリースで完成している。さらに2石のペアシェイプダイヤモンドのストラップが各サイドに付く。ボウノットのセンターのサファイアの基底部から垂れ下がる石をコレットセットしたフェスストゥーンは、2本が下方の月桂樹の葉のリボンを横切り、その先端に付けられたスズランから4石のサファイアが提げられ、それぞれ輝くエッジが付けられている。
ファッションに敏感なエドワーディアンの時代の女性にとってボディスにピンで留めるストマッカーは、身分の印としての頭上のティアラに次ぐ唯一のものであった。その重要性の故に、多くの女性たちが自分の最高の宝石をそのために取っておいた。ここにある「ガーランドスタイル」は、月桂樹とボウノットに結んだリボン、フェストゥーンを組み合わせており、明らかにルイ16世時代のアートにインスピレーションを受けているが、とはいえダイヤモンドのカットとプラチナの使用によって当世風に仕上げられている。マルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』の中で、プリンセス・ドルヴィエはダイヤモンドとサファイアのストマッカーをホワイトの花模様をしたシルクのガウンとともに着用している。展覧会で見られる通りである。