作品名 | シルフィード(空気の精)のバタフライ・ブローチ |
制作年 | 1900年頃 |
制作国 | フランス |
制作者 | ルネ・ラリック |
素材 | エナメル、ダイヤモンド、ゴールド |
サイズ | L56mm,W85mm |
フレンチ・アール・ヌーヴォーのエナメルとダイヤモンド、イエロー・ゴールドのブローチはラリックによるもので、イエロー・ゴールドでハイ・レリーフに象った翅の生えた裸のシルフィード(空気の精)としてデザインされており、その脚の先端は鱗に覆われたひれ状をしたエナメルの尾になっている。彼女の広げた翅脈が密な翅は、グリーンとブルーの様々な陰影のプリカジュール・エナメルと、オールド・カット・ダイヤモンドをセットしたシンメトリーなパターンで装飾されている。
ミナミ美術館
ラリックは単に女性たちが着用するためのジュエリーをデザインしただけではなく、ジュエリーは彼の最も想像的なクリエイションのテーマを提供した。例えばここで、彼は長く流れるような金髪を伴う思春期の乙女の、スリムでしなやかな裸体を取り上げ、さらに彼女に蝶の翅と魚の尾びれを与えることによって並外れていながらも美しいハイブリッドへと変身させた。ダイヤモンドのきらめきでハイライトを付けたプリカジュール・エナメルのゆらめく輝きと、コントラストするそのソフトなゴールドの肌によって、彼女は“コリエ・ド・シャン”すなわち“ドッグ・カラー”として知られる、ヴェルヴェット・リボンにマウントされて、着用する女性の首の曲線から目立つように独創的に意図されたものである。