作品名 | ジャパニーズスタイル ウォッチ |
制作年 | 1925年頃 |
制作国 | 未詳 |
制作者 | ヴァシュロン・コンスタンタン |
素材 | ゴールド、エナメル、サファイア |
ゴールドとサファイア、エナメルの紳士用時計は管状リンクのチェーンに提げられ、先端にはゴールドのリングが付き、カボションサファイアが配されている。四角い文字盤にはアラビア数字が付され、裏側にはカワセミらしき小鳥が蓮の茎に止まるジャポニスムの景観がエナメルで描かれている。
女性に限らず、大戦間の時代の洗練された男性たちもまた宝石をあしらったジュエリーを使う楽しみを享受した。特に時計は、ウェストコートのポケットから取り出す時には機能上の目的だけでなく見た目にも様になっていた。ケースの上にエナメルで描かれた風景は、ヨーロッパの伝統よりもむしろ遠く離れた地へのアール・デコの憧れと一致しており、また東洋のテーマは、クロワゾネエナメルの技術によってさらに強調されているが、これは日本の七宝職人たちがマスターであると認められている技法である。
この品質の時計はミスター・ウォーレイに代表されるダンディズムの証の品であり、エディス・ホワートンによって彼女の小説『ある種の人々』(1930年)の中で描かれているように、「彼はオニキスのスタッドを身に着け、薄いイブニングウォッチをポケットに、そしてハンカチにラベンダーのパウダーを振りかけていた」。