作品名 | セプティミウス帝カメオ・リング |
制作年 | 3世紀頃 |
制作国 | 未詳 |
制作者 | 未詳 |
素材 | カルセドニー、ゴールド |
ローマ皇帝セプティミウス・セウェルスの胸像を彫った積層アゲートによるカメオの肖像。顎鬚を生やし、月桂樹の冠を被り、長衣を肩から掛け、左向き横顔を見せている。カメオはローマ時代、3世紀。リングは近世のもの。
同時代の鋳造貨幣との比較から、目立った鼻と顎、カールした髪、顎鬚を具えたこの胸像は、193年から211年までローマ皇帝であったセプティミウス・セウェルスを表わしている。そしてこのカメオは、ヨーロッパにおいてだけでなく中東においてもローマ軍を勝利に導いた戦士の強い性格を確実に伝えている。イングランドでの作戦中、ヨークにおいて彼が死を迎えた時、彼は多くの高位の官吏や士官、友人たちに伴われていたに違いなく、その中の一人がこのカメオを所有していたと思われる。このカメオは、キングストン・アポン・ハル近郊出土のコレクションに由来するものだからである。肖像は、大きいものも小さいものも共に、ローマ人たちが卓越していた芸術分野であるが、それは彼らが頭部は人間の才能の座所であると考えていたためである。