作品名 | ソリテア ダイヤモンドリング |
制作年 | 1910年頃 |
制作国 | 未詳 |
制作者 | 未詳 |
素材 | プラチナ、ダイヤモンド、エメラルド |
プラチナリングのプレーンなフープは、パヴェセッティングのダイヤモンドにカリブレカットのエメラルドで筋状に装飾を施したショルダーで幅を広げ、ソリテアのブリリアントカットダイヤモンドをオープンセットしたベゼルを支えている。
このリングは、ベルエポックの時代の裕福な女性の好みを象徴している。19世紀の彼女の母親や祖母たちは、このサイズのリングはイヴニングのイベント用だけにとっておいたであろうが、今や新しい世代は、夜は言うまでもなくあらゆる時間に、ヨットの上でも、都会でも田舎でも、ランチやティータイムにもそれを着けたがった。南アフリカの鉱山発見のおかげという側面もあった。というのは、買う財力のある人間なら誰でも入手可能なほど大量のダイヤモンドなどそれまで一度足りとも存在しなかったからである。このリングの所有者は、それが綺麗にマニキュアされた手元に注目を集めることを、また彼女の仕草を強調することを知っていた。さらに、両サイドのエメラルドのディープグリーンのカラーで高められたこのダイヤモンドの輝きは、手を見下ろす度に彼女に計り知れないほど大きな誇りと喜びをもたらしたであろう。