作品名 | バード、ツリー ブローチ |
制作年 | 1935年頃 |
制作国 | イギリス |
制作者 | カルティエ |
素材 | プラチナ、ダイヤモンド、ルビー、エメラルド、サファイア |
ミルグレインを施したプラチナのブローチは、彫刻されたエメラルドがセンターに配され、ダイヤモンドで表された幹の上の木を表現している。シングルコレットに留められた8石の小さなダイヤモンドが葉の間に、1石のトライアンギュラーカットのダイヤモンドが天辺にあしらわれている。2羽の小鳥はサファイアの頭と尾、エメラルドの肢とボディ、ルビーの翼を具え、樹の脇で頭を後ろの方に向けている。木のそばにはナヴェットシェイプのエメラルドの植物があしらわれ、それらの全てが3石のバゲットカットダイヤモンドのベースの上に配置されている。
1920年代後期からカルティエは、この彫刻したエメラルドのような宝石をインドから輸入していたが、それがこのデザインにエキゾティックな魅力を与えている。ここではそれが周りのダイヤモンドによって想像力豊かにライトアップされており、またその造形的な性格をさらに強調する存在として2羽の小鳥が配され、鮮やかな羽毛がヴェルヴェットのような輝きのカボションカットのカラーストーンによって表現されている。
このブローチは、最も可能性が高いのはハットかテイラードスーツの襟に煌めきのタッチを添えたということだが、1930年代に起こったより抽象性の低いジュエリーへの回帰を記すものである。