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パールとルビーを施した ルネサンスのエナメル・ネックレス

 

制作年 1590年頃
制作国 南ドイツ
制作者 未詳
素材 パール、ルビー、エナメル、ゴールド
サイズ L550mm, W35mm, H15mm

作品説明

ルネサンスのゴールドとエナメル、パール、ルビーのチェーンは、ブルーとホワイト、レッド、ブラックのエナメルを施した13個のオープンワークのリンクで構成されており、その大き目のリンクにはそれぞれ立ち上がったコレットに収めたテーブル・カットルビーがセンターにセットされ、それらと交互に配された小さ目のリンクにはそれぞれ5個のパールのクラスターがあしらわれている。

プロヴナンス

オランダ王室 プリンセス・ムディバーニ、旧姓および名バーバラ・ハットン ピエール・シュランベルジェ夫人

解説

このような豪華に宝石をちりばめたネックレスは、ルネサンスの社交界で最も高い地位のしるしであった。このマスター・ゴールドスミスは、艶やかな光沢のイエロー・ゴールドと鮮やかなエナメル、燃え上がるレッド・ルビー、微光を放つパールを、それぞれが等しい役割を演じるように組み合わせた。その上さらに、各リンクは、自らの価値において完成されているひとつのジュエリーであり、ドレス・オーナメントかボタンとしての使用のために取り外すことができた。

次世紀におけるネックレスおよびチェーンの単純化に伴い、これらのネックレスが通常は解体されたことを考えると、これは稀少な伝存品であり、またその他の2点と比較することができるものである。Y. ハッケンブロック著『ルネサンス・ジュエリー』(1979年、ロンドンおよびミュンヘン刊)のno. 449とno. 506で、前者は現在カーセルのヘッセン州立博物館収蔵のヘッセン=マールブルク方伯ルートヴィヒ3世(1567-1604)によって所有されたもので、後者はウィーンのオーストリア国立応用美術博物館所蔵のそれである。

美術史博物館の美術室の元准館長、ルネサンスのジュエリーに関する世界的な権威であるルドルフ・ディステルバージャー博士による保証。