作品名 | フォックス ブローチ |
制作年 | 1930年頃 |
制作国 | フランス(推定) |
制作者 | 未詳 |
素材 | プラチナ、ダイヤモンド、ルビー |
アール・デコのダイヤモンドとルビーをセットしたブローチは長方形のプラークの形状で、オールドカットダイヤモンドがパヴェセッティングされており、座したキツネが横方向からアウトラインで描かれている。キツネは、カリブレカットルビーで描かれ、見る者の方に顔を向けている。
アール・デコは20世紀初期に始まり1925年のパリ万国博覧会において頂点に達する時代だが、幾何学的なデザインと同義語であった。ここでは、アシンメトリなプラークを採用することによってさらにそれが強調されており、キツネの横姿と極めてよい対応を見せている。この表現は、非常に多くの時間を狩猟用の原野で過ごしたイギリスの貴族階級に大いに愛好された19世紀のフォックスモティーフの、同時代的な解釈である。
自らの情熱を示すためにスポーツマン、スポーツウーマンたちはフォックスヘッドのブローチを着用したが、それらは狡猾なキツネの特性を見事に捉えていた。ここではキツネの横姿が非常に写実的にカリブレカットのルビーでアウトラインを描かれているが、その高価なストーンカッティングの方法がこのジュエリーに与えられた重要さを示している。