作品名 | ペルセウスのカメオブローチ |
制作年 | カメオ:1800年頃、セッティング:1860年頃 |
制作国 | 未詳 |
制作者 | カメオ:ニコラ・モレッリ、セッティング:カステラーニ |
素材 | ゴールド |
19世紀半ばのブローチは、モレッリ製作の積層アゲートのカメオをカステラーニのマウントによって完成されている。積層アゲートによる楕円のカメオはペルセウスの頭像を表し、翼の生えた兜を被り右向きの横顔を見せている。これを囲む考古学スタイルのフレームにはフィリグリーとロープをあしらった装飾がある。
カメオはニコラ・モレッリ(1771-1838)製作、サイン入り、1800年頃の作。セッティングはローマのカステラーニ製作、貼り付けのプラークによる商標つき、1860年頃。
この頭像のオリジナルは、勝利に満ちたペルセウスがメデューサの頭を高く掲げている大理石の彫像で、アントニオ・カノーヴァ製作のバチカン博物館所蔵のものである。この大理石像の名声はあまりにも絶大で、ナポレオンの妹のプリンセス・パオラ・ボルゲーゼは1808年にロヴェール・フフェーヴルによって描かれた肖像画の中で、これに似たペルセウスの頭像カメオをセンターに配した壮麗なティアラを戴いている。この初期のモレッリのカメオはカステラーニによって見事な考古学スタイルで仕上げられた、華やかなゴールドの額にセットされているが、彼の開発したこのスタイルは見ての通り、古典的なテーマに理想的にマッチした。このフレームに貼り付けられた装飾は複雑ながら精妙で、素晴らしいモレッリの彫刻を支配することなく補完している。