作品名 | ペンダントウォッチ |
制作年 | 1910年頃 |
制作国 | フランス |
制作者 | ブシュロン |
素材 | プラチナ、ゴールド、ダイヤモンド、エナメル、ルビー |
この丸型の時計はパールとピンクのバトンのチェーンから提げられており、文字盤にはアラビア数字がつけられている。エンジン・ターンで加工した表側は、ピンクのエナメルを施してモワレシルクを模し、センターに配したカボションルビーを囲むダイヤモンドのクラスターは、ダイヤモンドの外枠にも繰り返されている。ルビーのラインが、文字盤のある面とエナメルを施した表面の側面をぐるりと取り巻いている。
この非常に高度な熟練を要するギョシェエナメル(エンジン・ターンの上から施すエナメル)の技術は、18世紀の間に完成の域に高められたもので、またカール・ファベルジェによってパラソルの把手やシガレットケース、フォトフレームなどの贅沢品用として復活されたものだが、ここではフランスのジュエラーによって時計のケースに採用された。パリのクラフツマンシップがサンクトペテルブルグのそれに比肩しうることを実証している。