作品名 | 不明 |
制作年 | 1908 – 1917年頃 |
制作国 | ロシア |
素材 | プラチナ、ゴールド、ブルーサファイア、ダイヤモンド |
大振りのスターサファイアに、大きなダイヤモンド1石と数多くの小さなダイヤモンドをセットしたブローチ。「S.S」のサインあり。
Bolinの宝飾店は、1830年代にCarl Edvard Bolinによってサンクトペテルブルグに創設された。1850年頃にその弟のHenrik Conrad BolinがBolin&Jahn社をモスクワに創設し、のちに皇室ご用達宝飾店の認可を得た。1888年にHenrik Bolinが亡くなると、ビジネスは彼の息子のVasili Andreiewitchによって継承された。パートナーのJahnの引退後はサンクトペテルブルグとモスクワの二店舗は併合され、Hahn’sに次ぐ、ロシアで最も傑出した宝飾店
となった。Bolinの工房はFabergeやHahn’sが有名になる以前から長きにわたって、貴族たちのサークルのために目遺品の宝飾を作っていた。とりわけ、色の異なる硬質の宝石を用いてそのコントラストによって印象的な効果のある作品を好んで製作した。
本体のサイン「S.S」に示される通り、このスターサファイアのブローチはSophia Schwanのアトリエによって製作されたものと思われる。またこの作品のような、ほとんど目に見えないサファイアのセッティングはBolinに特有のものである。