作品名 | マルゲリータ王妃のショルダーブローチ |
制作年 | 1880年頃 |
制作国 | イタリア |
制作者 | 未詳 |
素材 | ゴールド、シルバー、ダイヤモンド |
ゴールドとシルバー、ダイヤモンドのブローチは、長方形を縁取る連続したダイヤモンドのラインが、全てクッションシェイプから成る3石の大き目のダイヤモンドを8石の小さ目の石の間に配し、オープンワークのパターンを囲んでいる。
1868年にのちのイタリア王国ウンベルト1世と結婚したマルゲリータ王妃は、このペアのブローチをサヴォイア家の肩章をピン留めするために創らせた。これが「スパリーネ」(=ショルダーブローチ)の名称の由来だが、彼女より前の他の王族たちも同じ用途でブローチを着けた。
フランス国王ルイ15世は、1773年に描かれた肖像画でサンテスプリ勲章のブルーの肩章を長方形のダイヤモンドブローチで肩に留めている。またイギリスのヴィクトリア女王は、1840年のウェディングドレス姿の肖像画でガーター勲章を2点の長方形のダイヤモンドブローチで肩に留めている。ブレスレット・クラスプとマッチしたこのシンプルなデザインは応用が広く、これを相続した義理の娘のエレナ王妃(1873-1952)は、ウェストのところに留めてプリーツが崩れないようにした。1929年に教皇ピウス11世を公式訪問した折に移された夫のエマヌエル3世との写真にそれが見られるが、エレナ王妃はマルゲリータ王妃からのパールやダイヤモンドティアラ、ネックレス、ストマッカーを着用している。