作品名 | ルネ・ラリック製作 ネック用のナルシスのプラーク |
制作年 | 1900年頃 |
制作国 | フランス |
制作者 | ルネ・ラリック |
素材 | エナメル、ゴールド、ガラス |
サイズ | L61mm,W77mm |
フレンチ・アール・ヌーヴォーのエナメルとペースト、イエロー・ゴールドのネック用の“ナルシス”のプラークは、ルネ・ラリックによるレクタンギュラーのオープンワーク・デザインのもので、ペイル・ブルーの不透明なガラスによるナルシスの横顔は左を向いており、後ろのペイル・ブルーのエナメルにその影が写っている。ブルーの菊の花とアクアマリン色のエナメルで取り巻かれており、そのフレームに“LALIQUE”とサインされている。
ここでラリックはベル・エポックのエレガントな女性に全世界的なパール・ネックレスに対する熱中に代わりとなるものを提供し、リボンまたはパールを“ドッグ・カラー”にループで取り付ける装飾プラークを提案した。ギリシャ神話によれば、泉に写った自分に恋してしまったものの、それに手が届かず一体化することができなかった時に、悲しみに暮れて死んでしまったという美しい青年ナルシスによるテーマは、一方の恋慕がもう一方に繰り返され、2つのハンサムな横顔を組み合わせることへの理由づけになっている。革新的であるのはナルシスへのガラスの使用だけに留まらず、淡い色の葉を合わせたロイヤル・ブルーの菊の花が彼を取り巻き、頭に冠している長い茎の上に配したという選択にもあり、それが日本および中国美術における秋と詩情の象徴としての役割を暗示している。