作品名 | ルネ・ラリック製作 ヴェロニカのブレスレット |
制作年 | 1900年頃 |
制作国 | フランス |
制作者 | ルネ・ラリック |
素材 | エナメル、ゴールド、ガラス |
サイズ | L82mm,W187mm |
フレンチ・アール・ヌーヴォーのエナメルとペースト、イエロー・ゴールドのブレスレットはルネ・ラリックによるもので、5枚のオープンワーク・プラークで構成されており、それぞれ様々な成長段階のヴェロニカ・スピカタ・プルプレイシアス(クワガタソウ)の花が収められている。センターの部分はモーヴ(藤色)の半透明ガラスから成り、エナメルの先端とホワイト・エナメルの支柱を伴う。そのクラスプに“LALIQUE”とサイン入り。
ラリックは他のアール・ヌーヴォーのジュエラーたちのようには数多くのブレスレットを製作しなかったことから、この実例は稀少な1点と言える。しかし、これは彼のスタイルのすべての特徴を例証するものである。花のテーマに対する彼の絶えざる関心、値打ちの低い素材への彼の敬意、そしてゴールドスミスおよびガラス工芸家の技術に対する彼の習熟である。ここでは、彼は5枚の連結パーツのそれぞれにヴェロニカ草のモティーフを使用したが、型にはまったベル・エポックの、宝石をセットした細いバングルに代るものとして、オープンワークの地を背景に立ち上がるエナメルを施した細くテーパーした茎の上のラヴェンダー・カラーのガラスの花で構成されている。しかし、創造された効果は非常に異なったもので、またこれらの花は庭にあるのと同様に上の方へと伸びて、肘まで届く長いホワイトの手袋の上からも着用され、着用する女性が新しい芸術の花の熱烈な愛好家であることをアピールした。もうひとつの似た作例は、リスボンのグルベンキアン博物館に収蔵されている。