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ルネ・ラリック製作 ヴェールを着けた裸のレディのペンダント

作品名 ルネ・ラリック製作 ヴェールを着けた裸のレディのペンダント
制作年 1904〜1905年頃
制作国 フランス
制作者 ルネ・ラリック
素材 エナメル、パール、ゴールド、ガラス
サイズ L79mm,W60mm

作品説明

フレンチ・アール・ヌーヴォーのエナメルとペースト、パールのペンダント/ブローチはルネ・ラリックによるもので、そのイエロー・ゴールドのシールド・シェイプ(盾形)のプラークのフレームは、ブルーのクロワゾネ・エナメルと虹色のプリカジュール・エナメルによる一対の蛇が巻き付いた形で1個のバロック・パールが吊り下げられており、またセンターには彫刻による右向きの裸のニンフが配されている。彼女の伸ばした両腕は透明なヴェールを持っている。

解説

ジーグリト・バーテンの引用書(1977年刊)によれば、このヴェールを着けたダンサーの美しいイメージはカルタゴ人のサランボーを表している。ハミルカール・バルカの娘にして著名な将軍ハンニバルの妹、またギュスターヴ・フロベールの小説(1862年)のヒロインである彼女は、女神タニトに捧げられた透明なヴェールを身に着けている。彼女はまた、自分のダンスに対する報酬として洗礼者聖ヨハネの首を要求した、聖書に書かれたヘロデ王の継娘サロメを暗示している可能性もある。歴史からこれら有名な男を誘惑する女性二人に加えて、この容姿はアメリカ人ダンサー、ロイ・フュラーからインスピレーションを受けた可能性もある。彼女は1907年にパリのテアトル・デ・ザールにおいて、フローラン・シュミットによるオペラ『サロメの悲劇』の中でサロメを演じた。そのヴェールによって象徴主義の詩人たちの夢の具現化へと変容した彼女のパフォーマンスは、ひとつの魔法を有しておりそれが彼女を有名にした。2匹の絡み合った蛇で構成されたこのフレームは、女性的な美しさと同様に、ラリックのお気に入りのテーマのひとつである。

 

ダイアナ・スカリスブリック