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ルネ・ラリック製作 輪になってダンスするニンフたちのペンダント

作品名 ルネ・ラリック製作 輪になってダンスするニンフたちのペンダント
制作年 1902〜1903年頃
制作国 フランス
制作者 ルネ・ラリック
素材 エナメル、パール、ゴールド
サイズ L69mm,W56mm

作品説明

フレンチ・アール・ヌーヴォーのエナメルとパールのペンダントはルネ・ラリックによるもので、そのレクタンギュラーのゴールド・プラークには5人の白いニンフが収められている。スクロールするテンドリル(巻きひげ状のパターン)のブルー・エナメルの内側で、彼女たちは輪になって手を繋ぎ、淡い夢のようなブルーを背景に踊るにつれて軽いドレイプリー(衣紋)が漂っている。イエロー・ゴールドの雄蕊の付いたブルー・エナメルの花が上下に伸び、その下の方の花から卵型のパールが吊り下がっている。裏側には同じようなフローラル・モティーフがチェイシングで施されており、“LALIQUE”とサインされ、メーカーによる品位保証印が刻印されるとともに、フランスのゴールドに対する極印が押されている。

解説

ここではルネ・ラリックは、彼が好んだテーマのひとつ、細い手足と長く流れるような髪の若く美しい女性からインスピレーションを受けたジュエリーを創造した。その価値は貴石に由来するものではない。なぜなら彼の素材――ゴールドとエナメル、模造のアイヴォリー――は、本来の価値は比較的低いものだからである。彫刻家として、彼は特にアイヴォリーに魅了されていたが、今やレオポルド2世によってベルギー領コンゴからその頃輸入された象牙が入手可能となった。ここでは、ラリックは通常浅浮彫りを作るために、代用素材を使用している。ここにあるような、浅浮彫りにおける彼のアイヴォリー使用の傑出した実例は、彼の顧客である女優のジュリア・バルテがラシーヌによる戯曲において、パレスティナの女王ベレニスとして着用したティアラで、ヴェルサイユのランビネ美術館に展示されている。ラリックがこれらの本物およびイミテーション双方のアイヴォリー・ジュエリーを創造した期間は短く、1904年にそれを終えるとクリスタルおよびガラスへと転向した。

彼のすべてのデザインと同様に、これは芸術作品であると同時にジュエリーであり、またこの小さな光景が喜びに満ちた性格を具えているのは、若さと美しさにあふれる優美な若い女性たちが明らかにダンスの調べによってうっとりとしているからである。

 

ダイアナ・スカリスブリック