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ロイヤル ピンクトパーズ
パリュール

作品名 ロイヤル ピンクトパーズ
パリュール
制作年 19世紀初期
制作国 未詳
制作者 未詳
素材 ピンクトパーズ、ダイヤモンド、
ゴールド、シルバー

作品説明

貴重な19世紀初期のピンクトパーズのパリュールは、以下のジュエリーで構成されている。

①ティアラ
蝶番付のサーキュレットはトップと低い部分の端がコレットセットダイヤモンドの列によってなぞられており、ダイヤモンドのカトルフォイルのところで接するダイヤモンドの葉枝の間に、サーキュラー・カット・トパーズが収められている。上に冠したペアシェイプトパーズのグラデュエーションした連なりは、ペアのオールドカットダイヤモンドのスクロールで支えられており、それと交互にダイヤモンドのトレフォイルが配されている。

②ネックレス
様々なシェイプとサイズの10石のトパーズで構成されており、センターのクッションシェイプの石から後方へとサイズがグラデュエーションされている。各トパーズはオールドカットダイヤモンドの縁飾りで囲まれており、螺旋状のスクロールの間のダイヤモンドおよびトパーズと交互に配されている。ダイヤモンドで取り巻いたパンドロークシェイプのトパーズが、センターのセッティングに取り付けられている。

③ストマッカー
トップの部分には大きなレクタンギュラークッションシェイプのトパーズがオールドカットダイヤモンドのオープンワークの縁飾りの中にセットされており、曲線的なダイヤモンドモティーフで強調されたサイド部分を伴って、ダイヤモンドとトパーズのスクロールおよび蔦の葉による装飾的なセンターに取り付いけられている。その先はオールドカットダイヤモンドの縁飾りの中にセットした、パンドロークトパーズになっている。

④蝶番付バングル
センターピースには大きなクッションシェイプトパーズがオールドカットダイヤモンドの縁飾りの中にセットされており、両サイドをスクロールとリボン、花瓶型のダイヤモンドモティーフによって支えられて、蝶番のオープンワークのゴールドバンドに付けられている。

全てのアイテムが同時代のレッド・レザーによる王族の符丁文字のある専用ケースに収められている。

解説

王室の壮麗さの典型であるこのパリュールは、7世代にわたって着用されてきた。プロシアとスウェーデン、デンマークの3人の王妃およびオランダとシャオマン=リッペ、プロシアの4人のプリンセスたちである。君主制統治の黄金時代に属するもので、当時は各国の国王や王妃は法律と秩序、社会の繁栄に対応するべく、尊崇と賛美に値するきらびやかな外見によって自分たちの権威を掲揚しなければならなかった。
このパリュールの所有者はドイツ人かスウェーデン人であったが、それらの宝石とデザインのチョイスにおけるインスピレーションはフランスのもの、皇帝ナポレオンに発するものである。稀少かつ美しい貴石のプレゼンテーションは着用する女性に注意を惹きつけ、地位と権力を表すということを知っていたナポレオンは、自らの一族や宮廷の女性たちに、常に美しくドレスで着飾るとともに多くのジュエリーを着用して公の場に登場すべきであると主張した。ここにあるようなパリュール、すなわちマッチしたジュエリーのセットは、彼女たちに調和のとれた一つのアンサンブルとしてたくさんのジュエリーを着用することを可能にし、贅沢でエレガントな着こなしを心掛けた。いつも同じジュリーを着用しているところを見られないように、王族のレディたちはそれぞれ異なった宝石をセットした数種類のパリュールを所有していた。
ダイヤモンドが放つ光と彼女の頭や首、ボディス、腕から煌めき立つモーヴピンクの神々しい色合いのこのようなパリュールは恐らく最も華やかな機会において女性を確実に際立たせるものであったろう。元のかたちを保ちつつ伝わったパリュールは極めて少数であることから類似品は少ないが、このネックレスのデザインはミュンヘンのレジデンツ博物館に収蔵されているバイエルンのテレジア王妃のルビーのパリュールに近いように思われる。プリンス・ミカエル・オブ・グリース著『イギリスおよびヨーロッパのクラウン・ジュエリー』(1983年)の40ページ参照。

ダイアナ スカリスブリック

来歴

プロシアのルイーズ王妃(1776-1810)
そして彼女の他の子孫へ;
ルイーズ、オランダのプリンス・フレデリック(1808-70)の妃
ルイーズ王妃、スウェーデンのカルル15世(1828-71)の妃
ルイーザ、デンマークのフレデリック8世(1851-1926)の妃
ルイーズ、プリンス・シャムオベルク=リッペ(1875-1906)の妃
マリー・ルイーズ、プロシアのプリンス・フレデリック・ジギスモント(1897-1938)の妃
ルイーズ、プリンセス・オブ・プロシア(1971-2009)