作品名 | ローマのキーリング |
制作年 | 3世紀後期-4世紀初頭 |
制作国 | ローマ |
制作者 | 未詳 |
素材 | アゲート、ゴールド |
サイズ | L22mm, W18mm, L17mm |
幅広のゴールドのバンドが支えるレクタンギュラーのベゼルにはオニキスによる片手のカメオがセットされており、ギリシャ文字で(MNH)MONEYE for Rememberと銘刻された片方の耳をつねっている。オプス・インテルラシレ(オープンワーク)の、ビーディングを施した縁の中をスクロールで満たした四角いプラークが冠されている。
片方の耳をつねっている手のモティーフはローマ人たちによって愛のシンボルとして使われ、それは耳が記憶の在処と考えられていたことから、「私を忘れないでください」ということを意味しているからである。オプス・インテルラシレのプラークと組み合わされているが、それはとあるローマの家庭の女主人によって着用されたリングに取り付けられた機能的なキーに由来する純粋に装飾的なものではあるが、この実例は新婦に結婚した女性としての義務をそれとなくほのめかす結婚の贈り物であったとも考えられる。S. ヒンドマン著『人生のサイクル』(2016年刊)no. 6、52-56ページ。