作品名 | 冬景色のペンダント |
制作年 | 1898年 (アールヌーヴォー) |
制作国 | フランス |
制作者 | ルネ・ラリック |
素材 | エナメル、パール、ゴールド、グラス |
Size | L88mm,W66mm |
フレンチ・アール・ヌーヴォーのエナメルとパールとブルー・ペイストの“ウィンター・ウッドランド”(冬の森林)ペンダントはルネ・ラリックによるもので、その形をしたプラークは雪景色の森林を表しており、背景に3本の葉の落ちた白い松を伴い、また右手前景には4番目の唐松の枝々が厚いホワイト・エナメルの積雪でしなだれている。卵型のグレー・パールがセンターから吊り下げられており、各コーナーにナヴェットカットのブルー・ペイストをセットした葉のある小枝付の樹皮のテクスチャーを施したイエロー・ゴールドのアシメトリーなフレームに収められている。“LALIQUE” とサイン入り。
このペンダントは、湖のほとりの積雪で枝が垂れ下がった葉の落ちた松の木にインスピレーションを受けた冬景色のシリーズのひとつである。ラリックがクレールフォンテーヌの自分のカントリー・ハウスで観察して写真に収めたものであった。それは成功を収め、リスボンのグルベンキアン博物館とサンクト・ペテルブルグのエルミタージュ美術館、ハンブルクの美術と職業のための博物館に相違したものがあるが、後者の実例は1900年の万国博覧会で展示され、購入されたものである。このヴァージョンにおいてラリックは深く変化に富んだ森林の背景を得るために、霜に覆われた1月の朝の雰囲気を創造するべく雪の積もった木々のアシメトリーな配置によってもたらされる様々な色合いのブルーとブルーがかったホワイトのエナメルを使用した。H. ヴェヴェールの『19世紀フランスのジュエリーの歴史』(1908年刊)巻III、714ページによれば、ガラスで製作された最初の冬景色のデザインはロシア人の顧客によって購入されたとのことである。彼にとって、それは故国の同じような風景を想起させたに違いない。