作品名 | 小帆船のブローチ |
制作年 | 1920年頃 |
制作国 | 未詳 |
制作者 | 未詳 |
素材 | プラチナ、ダイヤモンド、サファイア、ルビー |
ミルグレインを施したプラチナのサーキュラー(環状)ブローチは、様々なカットのダイヤモンドがセットされ、ルビーのディテールが描かれている。その細い縁飾りの中には、帆をいっぱいに広げポルトガルの国旗を揚げて海を渡る二本マストのカラヴェル(小帆船)が配されている。
1450年から1600年に至るポルトガルの黄金期を思わせるカラヴェルは、同国のシンボルとみなされている。軽量で荒れた海での舵取りが容易なカラヴェルはかの有名な航海者ヴァスコ・ダ・ガマにアフリカ大陸沿岸の踏査および1497年の喜望峰への到達を可能にし、またクリストファー・コロンブスに新世界到達を成し遂げさせた。その歴史的な意義性に加えて、このカラヴェルはその他のシップジュエリーと同様に、幸福のシンボルでもある。
旅に出る友人にプレゼントとして贈られたそれは、『きっと私の許にご帰還ください』というメッセージを帯びていた。