作品名 | 花と太陽 光のブローチ |
制作年 | 1925年頃 |
制作国 | フランス |
制作者 | 未詳 |
素材 | プラチナ、ダイヤモンド、エナメル |
ミルグレインのブローチは、わずかに曲線を帯びた縦型と横型の長方形を組み合わせて構成されており、その周りはダイヤモンドで縁取りされている。縦長の長方形の枠の中には太陽の光、その下には雲が描かれており、両脇の長方形の中にはダイヤモンドで埋められたオープンワークの花が描かれ、その模様は上下逆の写しとなっている。
1920年頃は、抽象的なジュエリーデザインの強い傾向があったにも関わらず、このブローチのような絵画的な趣旨のものも未だ求められていた。とはいえこのブローチもアール・デコの下に基づき、その情景は完全なる幾何学的な縁取りに囲まれている。
左右の不均衡な花の模様は東洋的なモティーフの模倣であり、それまでの古典的な花の模様に取って代わったものである。当時のブローチは帽子の飾りとして、またはこの時代の女性たちが着用していたドレス周りのドレープに花を添えるために着用された。