作品名 | 踊るニンフのプラーク |
制作年 | 1898-1899年頃 |
制作国 | フランス |
制作者 | ルネ・ラリック |
素材 | ゴゴールド、エナメル、ダイアモンド |
サイズ | L31mm,W40mm |
5人のニンフが手をつないで輪になり、軽やかなひだが動きに合わせて翻る様子を描いた長方形のゴールドのプラーク。ほのかな淡いブルーに色付けした地に、ニンフの像が浮き上がるように描かれている。ローズダイアモンドが縁を飾り、四隅にはダーク・ブルーのプリカジュール・エナメルでできたやどり木をあしらったゴールドのモチーフを配している。
ブローチに加工されたこのプラークは、アールヌーヴォーと呼ばれるモダン・スタイルの一例を示している。その代表的な天才作家、ルネ・ラリックは、19世紀末ベル・エポック期に、伝統的なダイアモンドに代わる宝飾品を提案した。この作品は18世紀の芸術の流れをくんでいるが、ラリックは自然からインスピレーションを受けた、伝統に縛られないデザインを創造した。彼が好んだ植物の一つであるやどり木をこの作品では四隅のデザインに取り入れ、主題に人物像を描いている。ルネサンス期にそうであったようにこの作品においても、使用する宝石よりも製作に要する技術の方に価値が置かれている。彼が使用したホワイト・ゴールド、イエロー・ゴールド、ローズ・ダイアモンド、エナメル、シェルなどには実質的な素材価値はほとんどない。彼がこのような装飾品を製作した時期は短く、1904年以降はクリスタルやガラスの製作に移行している。