ブシュロン【ジュエラー/メゾン】
Boucheron
1858年、フレデリック・ブシュロン(1830-1902)によってパリのパレ・ロワイヤルに創立された19世紀後半のフランスを代表するパリのジュエラー。1867年のパリ万国博覧会では、プリカジュール・エナメルで装飾した手鏡によりゴールド・メダルに輝く。1870年代に入ると、アメリカのティファニーが大量に買い付けるようになったことから、ブシュロンのジュエリーはアメリカ市場に浸透するとともに1876年のフィラデルフィア博覧会での大成功につながった。さらに1878年のパリ万博において、3つあるグランプリのひとつを授与された。彼のジュエリーはそのオリジナリティ溢れるデザインに加え、完璧な宝石の選択とセッティングの品質の高さで評価を得たが、彼は共同製作者である独立したアーティストやデザイナー、職人たちを常に讃え、博覧会のたびごとに審査員たちに対して積極的に彼らの功績を訴えたことでも知られる。1893年、現在のプラス・ヴァンドーム26番地に本拠を移し、1897年のモスクワを始め各地に支店を展開。1907年にはロンドン支店がニュー・ボンド・ストリート180番地にオープンした。1900年のパリ万博では再度のグランプリに輝き、1925年のパリ万博では息子のルイ(1874-1959)が審査員に名を連ねる。戦後は、1960年にイランのシャーの依頼によりテヘランにロイヤル・ジュエリー・コレクションの展示を立ち上げたことが特筆される。一族経営は創業者の曾孫アラン(1948年生)までだが、現在も盛業が続くインターナショナル・ジュエラーとして名高い。