アシュビー、チャールズ・ロバート【ジュエラー/メゾン】
Ashbee, Charles Robert
イギリスのジュエリー・デザイナーで、アーツ・アンド・クラフツ・ムーヴメントの興隆を担った重要な人物の一人(1863-1942)。建築家にしてゴールドスミスであったが、1880年代にジュエリーに関心を抱きアーツアンド・クラフツ・ムーヴメントのリーダーとなる。1888年、ロンドンにスクールとギルド・オブ・ハンディクラフトを設立。スクールは1895年に閉鎖する一方、1898年に商標登録したギルドは1902年にグロスターシャーのチッピング・カムデンに移転し1908年まで存続した。彼がデザインしたジュエリーはギルドによって製作されたが、ターコイズやムーンストーン、オパールといったあまり高価ではない半透明の宝石やブリスター・パールを用いたシルバー製のもので、モティーフは花とクジャクを多用したものであった。彼の影響はイギリスのアール・ヌーヴォーであるアーツ・アンド・クラフツ・スタイルの、特にリバティ社のジュエリーに、さらにウィーン工房に対して重要な役割を果たした。ルネサンスのイタリア人ゴールドスミス、ベンヴェヌート・チェリーニの心酔者でその著書『金銀細工概論』を翻訳した。