用語集

オコック、ルイ【ジュエラー/メゾン】

Aucoc, Louis

1862年と1867年のパリ万国博覧会で大いなる名声を獲得した父親のメゾンを1877年に引き継いだルイ・オコック(1850-1932)は、1878年までの2年間ルネ・ラリックを徒弟として雇用した。そして彼がロンドン留学から戻り独立して仕事を始めると、デザイン画を購入するなどして支援したことからアール・ヌーヴォー・ジュエリーの基礎を作った一人と見なすことができる。1900年のパリ万国博覧会では、ルネ・ラリックが主導的役割を果たし、アール・ヌーヴォー・ジュエリーは頂点を迎えた。同じく世紀末に向けてアール・ヌーヴォー・スタイルを採用したオコックは、自然主義的な葉と花や鳥、特に鶏をモティーフに用い、熟練した彫金とエナメル技法で表現するが、シンプルなシェイプと比較的シンメトリーなデザインを特徴とした。1878年以降、数々の博覧会に出展して賞を獲得。1895年から1907年までは、自らのビジネスと並行して宝石貴金属製造業雇用者組合の会長を務める。