カンパナ・コレクション【コレクション】
Campana collection
ローマの考古学愛好家ジョヴァンニ・ピエトロ・カンパナ侯爵(1808-1880)は、1831年にラティーナ街道沿いのオスティエでの、またチェルヴェテリにおける発掘の許可を得た。この発掘品がそのコレクションの中心を成すことになるが、その後も侯爵は古代陶器も含めた広範な分野の古遺物を買い集めてひたすらコレクションを拡大した。彼はゴールドスミスで親友のフォルトゥナート・ピオ・カステラーニと息子たちに、自らの発見品の修復を委託し彼らの側はそのことによって重要なインスピレーションを得ることとなった。1855年、侯爵は考古学上の活動を継続するために自分が会長を務める公営質屋からコレクションを担保に資金を借りるが、3年後に法王庁政府は公金横領の罪で彼を告訴し、その財産を没収するとともに売却しようと試みた。収監中、負債を返済する目的で彼はコレクションのカタログを編集させる一方カステラーニ一族は一般公開によって資金を得るための会社の設立を試みるが、その案は拒否され最終的にコレクションは散逸する。1861年、アレッサンドロ・カステラーニの斡旋によりナポレオン3世が最良の部分を購入し、ルーヴルで一般公開した。ロシアのアレクサンドル2世も600点近くを購入し、その他はロンドンを始めとする各地の博物館によって購入された。同コレクションはカンパナ侯爵が生涯にわたり無秩序に収集した様々な考古学的発掘品で構成されたもので、系統的に構成された同時代の他のコレクションとは異なるものの、19世紀から伝存する最も重要な考古学コレクションのひとつである。