サントス、ジェラール【ジュエラー/メゾン】
Sandoz, Gerard
フランスの画家にして装飾家、映画作家でもあったジェラール・サントス(1902-1995)は、祖父の代からのゴールドスミスにしてジュエラー、時計技師の家系に生まれるが、デッサン・コースを履修し宝石貴金属時計学校に通うまで正規の学業を修める。装飾美術の手ほどきを受けたのは、家族や装飾家の叔父のアトリエにおいてであった。1920年から、画家とグラフィック・デザイナーとしての活動と並行して、ジュエリーの原型のデザインを手がける。厳格なフォルムとシンプルで完璧なプロポーションによる彼の作品は、1925年の万国博覧会において最高の成功を収め、メゾンはジュエリーと貴金属製品で2つのグランプリに輝いた。サロン・ドトンと装飾美術家サロンには定期的に出展するとともに、1929年の現代アーティスト連盟の結成に参加。父親のギュスターヴ・ロジェの活動停止後、1931年までメゾンを引き継ぐが、絵画と映画に専念するためジュエラーの道を断念する。幾何学的なフォルムと円形と組み合わせた直線と鮮やかな色彩を特徴とするジュエリーおよびアクセサリー類によって、彼は1925年のジュエリー・アートの最も傑出した革新者のひとりに数えられている。