用語集

ジャー【ジュエラー/メゾン】

JAR

ニューヨーク生まれのジュエリー・クリエイター、ジョエル・アーサー・ローゼンタールは自らのイニシャルをメゾンの名前として1978年にパリで活動を開始した。ハーバード大学で美術史と哲学を学び、短期間ブルガリに席を置いた後、プラス・ヴァンドームに自前のメゾンをオープン。彼は独自の流儀でジュエリーを創造するが、新しいフォルムを自由にまとったそれらはほとんどが一点ものである。植物や動物、建物のエレメントや幾何学、さらに人体すらも、彼のデザインにインスピレーションを提供している。過去の素材と技術を採用しながらも、現代的なしかも偉大な彩色家の極めて個性的な目ですべてのテーマを眺める。カラード・ストーンを際立てるためにゴールドではなく硫化したシルバーをマウントに採用したのを初め、彼はチタンやアルミニウムといったこれまでジュエラーたちが顧みなかったかった金属すら導入した。製作数が限定されているのは、複雑な作業の困難さから実作できる職人の数が限定されるからでもある。完璧主義と極めて要求度の高い職人技、さらにはジェム・セッターの熟練が、彼のジュエリーの高価さを説明している。ジャーのジュエリーは、サザビーズやクリスティーズといった大手オークション会社による競売でお馴染みとなっている。1987年にニューヨークのナショナル・アカデミー・オブ・デザインで初の個展が開催され、2000年にはパリの装飾美術博物館でも開催された。