用語集

デバゼイユ【ジュエラー/メゾン】

Desbazeille

フランスのゴールドスミス、ルイ・デバゼイユ(1837生)よって1877年にパリに創立されたメゾン。1881年から参加した息子のジェルマン(1852生)は、1886年に父の後を継ぐ。メゾンは当初はメンズ・ジュエリーを専門としたが、1880年代に女性ものも手がけてレパートリーを拡大した。1889年以降、メダル製作のアートを組み込んだジュエリーを打ち出したデバゼイユは、この分野を拓いた最初のメゾンに数えられる。縮小化するその技術の卓越もあって、メダル・ジュエリーは同社の大いなる専門分野となった。その代表例が、彫刻家でメダリストのエミール・ヴェルニエによって打たれた芸術と四季の寓意像を鋳造したゴールド・プラークを組み込んだブレスレットとブローチである。メゾンは様々なタイプのジュエリーを製作し続けるが、ゴールドにエナメルを施した写実的な植物や動物はアール・ヌーヴォーの美学に沿ったものであった。1906年のミラノ万国博覧会で名誉賞を獲得したデザゼイユは、ジェルマンの息子のアンリ・ジャン(1884生)とその未亡人によって1934年まで活動が続けられた。