ピクラー、ジョヴァンニ【宝石彫刻師】
Pichler, Giovanni(1734-1791)
ピクラー(Pikchler)一族は、オーストリアをルーツとするイタリアの宝石彫刻師。アントンの長男ジョヴァンニ(1734-1791)は宝石彫刻師兼画家で、デッサンと絵画を徒弟見習いで完全にマスターしたが、早くから宝石彫刻師になる決心をしていた。ローマの古物の研究に熱中し、当時のカメオやインタリオが彼の彫刻にテーマを提供した。技術的な正確さと繊細さそして大いなる勤勉さと結び付いた傑出した才能と創意は、彼をその時代で最も求められる宝石彫刻師とした。彼は、神聖ローマ皇帝ヨーゼフ2世の肖像カメオを1769年の皇帝のローマ訪問の間に彫刻し、リッター(騎士)と皇帝陛下御用達宝石彫刻師の称号与えられた。