ロンドンのジュエラー、ロバート･フィリップス（1810-1881）は、1851年にジュエラーとしてゴールドスミス・ホールに商標登録を行い、コックスパー・ストリート23番地に自らの名前を冠した宝石店を開設した。パリのフロマン＝ムーリスの影響を受けたファンタジーとオリジナリティにあふれる中世風デザインのジュエリーは、人間の像や天使、紋章と建築モティーフを特徴とする。1869年までに彼とそのメゾンを有名にしたのは、上述のアンティーク・スタイルのジュエリーに加えて南イタリアから輸入したコーラルを用いたジュエリーであった。彼はカルロ・ジュリアーノがソーホーで自立するのを助け、1874年にピカデリー115番地に自らの宝石店を開くまで、そのジュエリーを販売した。1885年までにアルフレッド・フィリップスがメゾンの所有権を取得するが、1902年頃に閉店した。