ローマ出身のイタリア人宝石彫刻師（1771-1838）。肖像カメオで名声を博したが、特に注目すべきものとしてはオーストリアのフランシス1世と教皇ピウス8世のもの、ボナパルト一族によって用命された数多くのものが挙げられる。しかし彼は肖像に限定されることなく、古典世界の題材に対しても適性を示し、バッカス神やバッカンテに関連したテーマに見事な作品を残している。19世紀の最も著名な宝石彫刻師ベネデット・ピストルッチは、16歳で独立開業するまでモレッリの工房でもしばらく修業を積んだ。