用語集

ラヴァスコ、アルフレード【ジュエラー/メゾン】

Ravasco, Alfredo

イタリアのゴールドスミス、アルフレード・ラヴァスコ(1873-1958)は、イタリアにおけるアール・デコの最も成功したジュエリーの創造者のひとりに数えられる。彼は1920年代に円熟の頂点に達し、よりクラシックなジュエリーの製作も怠ることなくモダニストのトレンドの主要な表現者のひとりとなった。1920年代のパリの流行を敏感に感知した彼は、盛んに求められた平面的なジュエリーを創造する。それは反復を繰り返す幾何学的なモティーフの、鮮やかかつコントラストするカラーのジュエリーだが、そこでは高価な貴石がコーラルやマラカイト、コーネリアン、ラピスラズリあるいはパールと隣り合わせになっていた。彼は海洋生物や花、フルーツ、葉や枝などのモティーフを好み、最も小さなディテールにまで注意を払って貴石や半貴石で仕上げるという細心さを見せ、顧客には法王や王族、プリンス、趣味のうるさいブルジョワたちが名を連ねた。彼は1906年のミラノ博覧会に出展し、1925年のパリ万国博覧会、1939年のニューヨーク・ワールド・フェアにも出展した。相続人不在のまま他界した彼のジュエリーや貴金属製品はミラノの市有となり、1961年にオークションで売却された。